イワオトギリ(岩弟切・オトギリソウ科オトギリソウ属)

IMGP7916 イワオトギリ

イワオトギリの花です。
オトギリソウの亜高山、高山地域に自生する種類の植物です。

IMGP7962 イワオトギリ

 オトギリソウ‥‥‥
名前を聞くだけでは、おとぎ話のかわいい様な事を連想しますが、
感じで書くと、弟切草。
弟を切る草!? 

オトギリソウの草を原料にした秘薬の秘密を漏らした弟を
兄が切り殺したという平安時代の伝説により、
弟切草と言う名前がついたそうです。
この様な、不吉な伝説から、
その花言葉も、「怨み」とか、「秘密」とか言ったものとなります。

IMGP7921 イワオトギリ

その生薬は、小連翹(しょうれんぎょう)と言い、
鎮痛剤、湿布、傷薬などに使われる様です。
今では、インターネットで調べればすぐに分かります。

IMGP8038 イワオトギリ

本白根山では、只今、見頃となっております。
是非、見つけてみてください。

ヒメシャジン(姫沙参・キキョウ科ツリガネニンジン属)

IMGP7900 ヒメシャジン
ヒメシャジンの花です。
只今、本白根山でたくさん咲いており見頃となっております。

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中には、白っぽいのもあります。

IMGP7938 ヒメシャジン
コマクサも一緒に咲いており、紫とピンクが良く合いますね。

P1010574 ヒメシャジン
こちら、下から撮影した画像です。

IMGP7943 ヒメシャジン
遊歩道沿いにも沢山咲いております。

ヒメシャジンは、キキョウ科ツリガネニンジン属の花で、
ツリガネニンジンの根を乾燥させた生薬を沙参と言います。
ヒメシャジンに似た花で、ミヤマシャジンがありますが、
これより小さなで、根が沙参に似ているから、
ヒメシャジンと言う名前が付いたそうです。

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こちら、ツリガネニンジンの花です。

これに似た花で、ミヤマシャジン、イワシャジンなどがある様です。
もしかすると、違う種類の花も咲いているのかも?

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こちら、大株のヒメシャジンです。

IMGP8031 ヒメシャジン

IMGP8106 ヒメシャジン

 この花も、本白根山最高地点の方へ行くと、
たくさん咲いてます。途中で引き返さず、
是非、頑張って歩いてみてください。 

キクイモモドキ(菊芋擬き・キク科キクイモモドキ属)

IMGP7786 キクイモモドキ
ベルツ通り添いでも、多く見かけますが、
こちら、キクイモモドキ(菊芋擬き)の花です。

北アメリカ原産の花で、明治時代中期の鑑賞用に
導入された多年草ですが、栽培されていたものが
野生化した植物です。

IMGP7808 菊芋擬き
こちらも、ベルツ通り沿いのキクイモモドキです。

IMGP7654 キクイモモドキ
別名、ヒメヒマワリ、ヘリオプシス、ヘリアンソイデス、
などと呼ばれている様です。さらに、イシイモ?
ところで、なんで、ヒメヒマワリ?
このヒメヒマワリ単独で調べてみると、ヒマワリ属の1年草?
キクイモモドキは、多年草?

私もヒメヒマワリを種から育てた事がありますが、
まったく違うイメージなので、鑑賞用のヒメヒマワリとは、
また別物かもしれません。
確か、小さなヒマワリの様な花がたくさん咲いた様な気がします。
何か、ややこしいですね。

IMGP7659 キクイモモドキ
ヒマワリの様で、そうでない花。
インターネットで調べてみると、
ヒマワリモドキ属のヒマワリモドキ
なんて言うのもありました。

これほどまでに、雑草の如く、たくさん咲いているのに、
こんなに悩まされるとは、おもいませんでした。

IMGP7814 キクイモモドキ
こちら、葉の特徴です。

IMGP7834 キクイモモドキ
葉は少し光沢があり、対生し、
葉身は5~15cmぐらいの大きさで、
先が尖り、縁に鋸歯があります。

IMGP7789 キクイモモドキ
なんで、キクイモモドキと言うのか?
これは、キクイモと言う花があって、
この花は、根に芋の様な茎塊が出来ます。
キクイモモドキは、キクイモに似てますが、
茎塊が出来ないところから、キクイモモドキと言うそです。

こちら、キクイモの花と茎塊です。
W_kikuimo1091 1024px-Root_of_Helianthus_tuberosus
ウィキペディアより

この種の花は、回りの花びらの様なものは飾りで、
真ん中に多数あるのが花です。
P1010540 キクイモモドキ

その証拠に、蝶が花の蜜を吸っている瞬間の画像が
こちらです。
P1010547 キクイモモドキ

お車で、当館へ来られる際、今咲いている黄色い花が
この花です。
是非、見つけてみてください。

新発見!オオヤマフスマの種内変種

IMGP5324 オオヤマフスマ
このブログでも紹介した事がありますが、
オオヤマフスマの花です。
しかし、ただのオオヤマフスマでは、ありません。
普通のオオヤマフスマと違うところは、
葯の色が、紫色をしております。

IMGP5354 オオヤマフスマ

この花、何と言う花なのか、非常に悩みました。
Googleで、画像検索しても、これと同じ花はありませんでした。
こちらが、画像検索した結果です。
https://goo.gl/RavHRN

もしかして、オオヤマフスマの変種を新発見かもしれない!
新しい名前が付けられる!と、心弾ませておりました。

P1000931 オオヤマフスマ
こちらが、一般的なオオヤマフスマです。
葯の色は、普通、真っ白です。
こちらは、草津町の前口にありますザゼン草公園で
咲いておりました。

オオヤマフスマについて研究をされている先生を探してみたところ、
首都大学東京で、オオヤマフスマについて論文を書かれた事の
ある先生を見つけ、質問のメールを送りましたら、
実に丁寧に応対してくれました。

「中部地方や東北地方でいろんなオオヤマフスマを見ているが、
この様に、葯の色が紫なオオヤマフスマは、見た事がない。
標本を送ってほしい。」
との事で、標本を送り、調べて頂きました。

IMGP5357 オオヤマフスマ

そして、いろんな文献や標本を調べて頂いた
途中経過の連絡を頂きました。

この葯が紫色の集団がある事は、新発見との事でした。
しかし、種内変種として、
オオヤマフスマの範疇に含まれるそうです。
葯の色が違うだけでは、新種として認められませんでした。

例えば、ミスミソウという花は、
葯の色が白や,ピンク,紫などがありますが、
それらに名前がつかられていることはありません。
ミスミソウについて画像検索した結果です。
https://goo.gl/TFj0NU

また、アメリカ産で葯の色が暗紫色に変化したものが報告され、
var. tayloriaeという変種での扱いを提案した人が過去にいたようです。
しかし一般には認められなかった様です。 
その画像検索した結果がこちらです。
https://goo.gl/KFLr6L

過去にも見つけた人がいたんですね。

しかし、日本での新発見の太鼓判を押されましたので、
それは、それで嬉しい限りです。

これから、花粉の形態について、比較してみるそうです。
IMGP5158 オオヤマフスマ

私は、良い夢を見させて頂きました。
ニュースなどで報じられたら、どうしようと、
テレビに出ている自分を思い浮かべながら、
ニヤニヤとしておりました(笑)
IMGP5749 オオヤマフスマ
私は、この花を見て、葯のところが頭で、
湯揉みをしているみたいなので、クサツユモミフスマなんて
言うのを考えておりました(笑)
また、別名でヒメタガソデソウと言うので、
ユミタガソデソウなんて言うのを考えたり・・・・(笑)

IMGP5761 オオヤマフスマ
この花は、もう既に、ほとんど終わってしまいました。
草津道の駅、運動茶屋公園で、草津ロータリークラブの
記念樹もまわりにたくさん咲いておりました。
来年に同じ花がたくさん咲いてくれる事を祈っております。

草津温泉でしかご覧頂けない花を
これほど多く、気軽の見て頂ける頃は稀だと思います。
是非、来年の春頃の開花をお楽しみに!

ヤマアジサイ(山紫陽花・アジサイ科アジサイ属)

IMGP7614 ヤマアジサイ
ヤマアジサイです。
草津森の癒し歩道ロイヤルコースで咲いている花です。
雨のしっとりと濡れたヤマアジサイ。
良く似合いますね。
これまでコアジサイが、たくさん咲いてましたが、
これからは、このヤマアジサイが咲く時期ですね。

ヤマアジサイ(山紫陽花)は、読んで字の如く、
山中で多く見られる事から、名付いております。
また、沢で良く見られる事から「サワアジサイ」とも呼ばれております。

IMGP7616 ヤマアジサイ

こちらは、いろんな色があります。
IMGP7606 ヤマアジサイ

IMGP7602 ヤマアジサイ

 雨あがりの森林浴は、とても気持ちがいいです。
 
是非、草津森の癒し歩道の散策へお出掛けください。 

イオウゴケ(硫黄苔・ハナゴケ科ハナゴケ属)

P1010503 イオウゴケ
白根山のハイキングコースで、
奇妙なものが生えております。
こちらもガイドさんの説明なしでは、見過ごして、
通り過ぎた事でしょう。

イオウゴケという植物です。地衣類だそうです。

さて、地衣類とは。菌類と藻類(主に緑藻やシアノバクテリア)
が共生関係を結んでできた複合体の事で、
分類学(国際植物命名規約)上は、その複合体を構成する
菌類(共生菌)のことを地衣類とみなしているそうです。
何の事かさっぱりわかりませんね(笑) 

藻類は、草津温泉ではイデユコゴメがおなじみですが、
菌類は、キノコとかカビなどを示し、
これが合体した植物なのでしょうか?

イオウゴケは、温泉地や、火山地帯など、
硫黄分の多いところでもたくさん分布するところから、
硫黄苔という名前が付いたそうです。

P1010510 イオウゴケ

さて、良く見てみると、面白い形をしています。
IMGP7309 イオウゴケ

 拡大した画像です。
IMGP7311 モンローリップ
 真っ赤な唇みたいですね。 
これ、マリリンモンローの唇みたいだと言う事で、
モンローリップと言う名前もあるそうです。
実にセクシーな名前が付いているんですね。

草津白根山では、ミヤマハナゴケもたくさん見られます。
IMGP7312 ミヤマハナゴケ

こちらは拡大画像です。
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こちらも、ハナゴケ属の仲間です。
この植物が生えているところで、ほんの少しだけ、
イオウゴケが生えてます。

これを見つける事が出来れば、ラッキーですね♪

是非、草津白根山のハイキングをお楽しみください。

 

60年に1度!?笹の花が咲いてます!

IMGP7400 ネマガリダケ
草津に生えている笹は、
すべてクマザサと思っておりましたが、
こちらネガマリダケ、別名でチシマザサという笹です。
コマクサリフトを降りて、白根山へ行く時、
最初にご覧いただけます。

IMGP7271 ネマガリダケ
ネマガリダケの筍は、
山菜として召し上がって頂く事も出来ます。
基部が弓状に曲がっているところこら、ネマガリダケと
呼ばれているそうです。
また、千島列島の南部に多く分布されているところから、
チシマザサとも言います。

IMGP7274 笹の花
こちらには、なんと、60年に1度しか咲かないと
言われております、笹の花が咲いておりました。

IMGP7403 笹の花
こちらが、笹の花です。

40年~60年に1度と言われており、
とても縁起の良いものに思えますが、
調べてみると、いろいろと不吉な事が書かれておりました。
笹は、この花が咲くと枯れてしまうそうです。
また、地震の前兆であるとか。。。

10年前ほど、草津癒し森歩道ロイヤルコースの近くにある
大谷地池の近くで、やはり笹の花が咲いておりましたが、
その時は、大地震などはありませんでした。

気の持ちようで、珍しい花を観れてラッキーと思えば、
幸運ですね。

ぜひ、白根山へ行かれる際、見つけてみてください。

コケモモ(苔桃・ツツジ科スノキ属)

P1010500 コケモモ
コケモモの花です。
本白根山遊歩道のハイキングコースで、
コマクサ群生地の手前で多く見られます。

IMGP7292 コケモモ
コケモモは、耐寒性に優れ、
-40℃になっても耐える事が出来、
広葉樹では珍しく、真冬でも葉を落としません。
しかし、夏の暑いところでは、生育しにくいと言われております。
白根山の様に厳しい環境だからこそ、育つ花なんですね。

コケモモは、赤い実となり、甘い果実となります。 
ブルーベリーの様にジャムして食べたり、
ジュースなどにしたりしても美味しいそうです。
「コケモモ」には、有機酸、ビタミンC、βカロテン、
ビタミンB類、カリウム、カルシウム、マグネシウム、
リンなどが含まれていると言われております。
何か体に良さそうですね。

しかしながら、ここは国立自然公園です。
採るのは、絶対にいけません。
でも、写真を撮るのは自由です。
鑑賞だけをお楽しみいただければと思います。

 IMGP7294 コケモモ
コケモモは、苔の様に地を這う様に生え、
赤い木の実をつけるところから、コケモモ(苔桃)と
名づいた様です。

暑い夏、標高2000m以上を登る本白根ハイキングコース、
爽やかで涼しく、いろんな花が咲いていて、
とても気持ちいいです。

草津温泉にいらしたらなら、是非お出かけください。 

ハクサンシャクナゲ(白山石楠花・ツツジ科シャクナゲ亜属)


IMGP7119 ハクサンシャクナゲ


ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)の花です。

殺生・万代鉱・石尊山・草津自然遊歩道コースで、

殺生河原より歩いて、すぐのところに咲いておりました。

https://www.kusatsu-kokusai.com/pdf/hiking/hiking_map02_h.pdf

名前の由来は、日本百名山のひとつであります、

白山で発見された事から、

白山石楠花という名前になったそうです。


IMGP7070 ハクサンシャクナゲ


こちら、シャクナゲの群生地ですが、

これが全て咲けば見事だと思いますが、

残念ながら、ポツリポツリと咲いているだけでした。


IMGP7092 ハクサンシャクナゲ


IMGP7074 ハクサンシャクナゲ

こちら、本白根山ハイキングコースで咲いていた
ハクサンシャクナゲです。
IMGP7343 白山石楠花
こちらでは、只今満開となっておりました。
本白根山最高地点2150m付近に咲いております。

IMGP7341 ハクサンシャクナゲ

IMGP7338 白山石楠花

IMGP7365 白山石楠花
ハクサンシャクナゲの特徴は、
花の中にある薄い緑色の斑点模様があるのが特徴です。

アズマシャクナゲは、5月頃咲きますが、

ハクサンシャクナゲは、6月下旬から7月上旬に咲きます。

ところで、「高嶺の花」とは、何の花かご存じですか?

憧れの人のこと、雲の上の様な人を

高嶺の花(たかねのはな)と呼ぶことがあります。

要するに手の届かない存在のことを言いますが、

この「高嶺の花」はシャクナゲのことを指しているんです。

シャクナゲは高山植物で、

平野部などでは育たない植物だからです。

アズマシャクナゲは、草津温泉の町内でも気楽にご覧頂けますが、

このハクサンシャクナゲについては、

少々山登りをしなくてはご覧頂けません。

是非、高嶺の花をご覧になりに草津の山を登ってみませんか?

ノコギリソウ(鋸草・キク科ノコギリソウ属)

IMGP6815 ノコギリソウ
ノコギリソウです。

国道292号線沿いで、咲いておりました。
IMGP6805 ノコギリソウ

葉の形が、鋸に似ているところから、
ノコギリソウという名前になったそうです。
IMGP7049 ノコギリソウ

IMGP6814 ノコギリソウ

 IMGP6819 ノコギリソウ
 
ノコギリソウは、標高1000m以上の高地でしか
咲かない花です。
P1010450 ノコギリソウ
 
ノコギリソウの葉は、用途としてキズ薬として使われ、
止血草、血の草とも呼ばれていたそうです。

P1010448 ノコギリソウ

本来なら、夏に咲く花ですが、今年は例年に比べて、
気温が高いのでしょうか。
6月下旬で咲いてました。